PEOPLE

社員インタビュー

人材育成も店舗運営も。 料理人を超えた成長が、 ここにはある。

株式会社ディアーズ・ブレイン 料飲事業部 
エリアマネージャー兼シェフ
下田 恭敬2016年入社
PROFILE

専門学校を卒業後、フレンチレストランで料理人としてのキャリアをスタート。料理長を経て、2016年にディアーズ・ブレインに中途入社。ウエディングならではの調理やオペレーションに苦戦しながらも、料理への探究心を広げ、着実にスキルを磨く。現在はシェフとして活躍する傍ら、エリアマネージャーとして複数店舗を統括し、人材育成と店舗運営に力を注いでいる。

ウエディングは、料理人として成長するための選択だった。

小学生の頃、姉の誕生日にケーキを作ったことが、私の原体験です。自分の手で誰かを笑顔にできる。その喜びに心を動かされ、料理人の道を志しました。高校時代にはフレンチ、中華、居酒屋のキッチンでのアルバイトを重ね、専門学校では製菓と料理を学び、腕を磨きました。卒業後は都内のフレンチレストランに就職し、5年目には料理長に。星付きレストランや有名店のシェフたちと交流する機会も増えて、更なる学びも経験しました。料理長として人に教える立場になったものの、自分自身もまだ20代半ばで学びの途中。もっとできる範囲を広げたいと考えるようになりました。その当時、特に課題を感じていたのがレストランでのウエディングでした。レストランで一品一品を高いクオリティで提供することはできても、ウエディングになると、大量の料理を美味しい状態で一斉に提供することになります。その工程をもっと知りたいし、レストランで出来るなら絶対にウエディングだって出来るはずと思っていたのです。スカウトを通じて複数の企業に出会うなかで、特に心を惹かれたのがディアーズ・ブレインでした。キッチンを見学させてもらった際、盛り付け・食材・表現、そのすべてが、それまで抱いていた婚礼料理のイメージを覆すほどのクオリティだったのです。「ここなら、もっと強い料理人になれる」。そう確信したと同時に、自分の原体験を思い出したのです。「料理で、誰かを笑顔にしたい」。ウエディングというフィールドは、まさにぴったりの環境だと思いました。結婚式という特別な日、多くの人が集まる祝福の空間。そこに、自分が手がけた料理が添えられている。そんな情景が浮かんだのです。私は迷うことなく、新たな一歩を踏み出しました。

料理に向き合うだけでは、
良い料理はつくれない。

最初に配属された京都の店舗では、1日3組、各60名規模の結婚式を担当していました。少人数のチームで、数百皿にも及ぶ料理を、最高の状態で提供する。それは、レストラン時代に磨いてきた「一皿ごとの完成度を追求する」こととはまったく違うものでした。ブライダルでは、“逆算”と“連携”が命です。火入れや盛り付けのタイミングを緻密に計算し、チーム全員で一つのゴールを目指す。当初は副料理長として入社しましたが、チームを束ね、オペレーション全体をコントロールする難しさに戸惑いました。けれども、一人では決して成し得ないことも、仲間となら実現できる。それらの経験を通して、婚礼料理の面白さと可能性に気づくことができました。また、新郎様新婦様と直接料理メニューを打ち合わせるのも、ブライダルならでは。基本はフレンチをベースとしながらも、「寿司」や「天ぷら」といった和食を取り入れたいというご要望も少なくありません。同じ料理でも、私にとって和食は未知の領域。様々な動画を参考にしたり、近所の和食店に通いつめて、営業後の厨房で出汁の取り方や揚げ方など、基礎から学ばせてもらったりもしました。一組一組のお客様に合わせてオリジナルの一皿を提供するなかで、自分自身も成長していく。料理人といえど、料理に向き合うだけでは上手くいかない。お客様に、チームに、人に向き合う。そうしてはじめて、本当に良い料理が生まれるのだと思います。

料理人を育てる。
その先に、もっと多くの笑顔がある。

複数の店舗で料理長を経験し、現在はエリアの統括マネージャーとして、3店舗、20名以上のメンバーと共に現場を支えています。料理に向き合う時間は減りましたが、物足りなさを感じることはありません。今の私の役割は、これまで培ってきた技術や知識はもちろん、料理人としての姿勢や考え方までも、惜しみなく伝え、未来へつないでいくこと。ただ一方的に指示を出すのではなく、それぞれの個性や意志を尊重しながら、実践を通じて自分なりのスキルを身につけられる機会を、後輩たちには積極的に与えています。また、ディアーズ・ブレインには、挑戦を後押しする文化が根づいています。社内コンテストなど、料理人にスポットが当たる場も豊富に用意されており、それが現場のモチベーションにもなっています。自分が指導していた新卒の後輩が、社内コンテストで優勝したときには、思わず叫んでしまうほど嬉しかったですね。自分の手で誰かを育てる喜び。それは、シェフとして料理に向き合っているだけでは味わえなかった、また別の達成感でした。後輩たちには、私がそうだったように、ただ料理をつくるだけではなく、その先にある誰かの笑顔を信じて、この仕事に向き合ってほしい。技術だけでなく、心を込めた料理を届けられる。そんな料理人を育てていきたい。そうすれば、私ひとりでつくるよりも、もっと多くの笑顔をつくれるはずだと信じています。