ウエディングは、料理人として成長するための選択だった。
小学生の頃、姉の誕生日にケーキを作ったことが、私の原体験です。自分の手で誰かを笑顔にできる。その喜びに心を動かされ、料理人の道を志しました。高校時代にはフレンチ、中華、居酒屋のキッチンでのアルバイトを重ね、専門学校では製菓と料理を学び、腕を磨きました。卒業後は都内のフレンチレストランに就職し、5年目には料理長に。星付きレストランや有名店のシェフたちと交流する機会も増えて、更なる学びも経験しました。料理長として人に教える立場になったものの、自分自身もまだ20代半ばで学びの途中。もっとできる範囲を広げたいと考えるようになりました。その当時、特に課題を感じていたのがレストランでのウエディングでした。レストランで一品一品を高いクオリティで提供することはできても、ウエディングになると、大量の料理を美味しい状態で一斉に提供することになります。その工程をもっと知りたいし、レストランで出来るなら絶対にウエディングだって出来るはずと思っていたのです。スカウトを通じて複数の企業に出会うなかで、特に心を惹かれたのがディアーズ・ブレインでした。キッチンを見学させてもらった際、盛り付け・食材・表現、そのすべてが、それまで抱いていた婚礼料理のイメージを覆すほどのクオリティだったのです。「ここなら、もっと強い料理人になれる」。そう確信したと同時に、自分の原体験を思い出したのです。「料理で、誰かを笑顔にしたい」。ウエディングというフィールドは、まさにぴったりの環境だと思いました。結婚式という特別な日、多くの人が集まる祝福の空間。そこに、自分が手がけた料理が添えられている。そんな情景が浮かんだのです。私は迷うことなく、新たな一歩を踏み出しました。
